訪日団体旅行が解禁 中国政府が3年半ぶり
中国政府が8月10日から、約3年半ぶりに日本への団体旅行を解禁した。新型コロナウイルス感染症の拡大で国外の団体旅行を制限していたが、今年2月以降は60カ国を対象に海外への団体旅行を再開、日本はこれまで含まれていなかった。2019年の訪日外国人観光客数で約3割、観光消費額では4割を占めていた中国市場の本格回復に業界関係者の期待は小さくない。
本格化は10月の国慶節か
中国政府は10日に各省、直轄市などの文化観光関連部局宛に団体旅行を行うための旅行者業務の再開について通知を出した。対象国に日本も含まれ、20年1月末以来の団体旅行解禁となる。
中国人観光客の団体旅行の人気訪問先だった大阪府は19年1―12月の訪日来阪者数1230万6千人のうち半数近くの46%(564万2千人)を中国人観光客が占めていた。
そのため、大阪観光局の溝畑宏理事長は「重要市場である中国からの団体旅行が解禁されることはたいへん喜ばしいこと」と歓迎のコメントを発表。2025大阪・関西万博にも弾みがつくと期待感を示している。
ただ一方で、中国人団体旅行の解禁でオーバーツーリズムの懸念や、コロナ禍でより顕在化した旅館ホテルや貸切バス事業者の人手不足に起因する受入態勢への不安を口にする業界関係者も少なくない。
ある旅館経営者は「国を挙げて量から質への転換をうたうが、無理な受け入れを現場に強要し時代に逆行する恐れがある」と警鐘を鳴らす。
団体旅行が本格化するのは、国慶節の大型連休がある10月以降になる見通しだ。
(トラベルニュースat 2023年8月25日号)
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