今だからできること まちおこしにつながる勉強会も
新型コロナウイルスワクチン接種が始まり、各地の感染者数もやや減少傾向にはありますが、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置などの対策が右往左往しており、今後も予断を許さない状況ではありますね。もう、どの旅館ホテルも十分な対策をとった上で営業をしていることとは思いますが、宿泊者数はなかなか戻ってきていません。
様々な経費削減も行っているのでしょうが、売上が乏しい今、不安を抱えるところも多いでしょう。コロナ拡大も1年半を越えると、大きく予算をとった策を立てるのも難しいでしょうし、あまり予算をとらずとも、今だからこそできることを考えていかなければいけません。
部署での勉強会を行うのも良いと思いますが、旅館組合が先頭に立って町内や従業員のためになる勉強会などを開いてはどうでしょう。設備や料理、温泉のことばかりではなく、その町の歴史や風土、草木などに目を向け、清掃活動をしたり、観光客に向けてのまちおこし活動につながるような取り組みができるのではないかと思います。
わたしのいる温泉街でも、少しずつ新しい店ができたりもしていましたが、なかなかコミュニケーションをとる場というのがありません。一緒になって活動をすることで、自分の旅館だけでは実現しないような取り組みができるのではないかと思います。
従業員もただ休ませているだけでは、士気も下がり仕事も疎かになりがちです。もちろん従業員一人ひとりの努力も必要ですが、これまでに例のないこの状況では各旅館、各旅館組合、町内がその手助けをすることも必要だと感じます。
わたしも、なかなか全国を自由に飛び回るというのは難しいのですが、これまでよりもじっくりと時間をかけて「日本料理」に向き合う時間がとれているように感じます。やはり日本料理は出汁が重要です…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2021年7月10日号)
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