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8時間労働 料理人の就業環境とは

大きな集まりなども増えてまいりました。私も和食料理人として、経営者として、コンサルタントとしてお話をさせていただきに行く機会も増えてまいりました。向かう先では、どちらかというと洋食よりも和食メーンのホテルや施設の方と話すことが多いのですが、その中では和食料理人の人手不足が話題となります。

和食は、2013年無形文化遺産に登録されました。世界に誇る技術ですが、現状はこのありさまです。

8時間労働が法律の下で守られていますが、技術を身につけなければ成り立たたない職種で、この労働時間を守ることは容易いことではありません。例えば、プロのスポーツ選手や漫画家、作家の方々などは8時間の意識などないでしょう。自分のレベルアップのために時間を費やし、それが一日の大半を占めることも多いはずです。そうして身につけたスキルや実績をもとに対価が支払われていることでしょう。

料理人も同じではないでしょうか。

一人前になるためには8時間の縛りの中でできることは限られています。業務としてすべきことに加えて、自分自身が習得すべき勉強の時間が少なからず必要ですから、これを8時間で行うことはなかなか困難でしょう。今「8時間以上働こう」と声を大にして言うことは難しいでしょうが、契約形態を工夫するなど就業しやすい環境を整えていくことも必要ではないでしょうか。8時間労働をした後も、例えばアルバイトのような形で同じ就業場所で働くことができれば、人員確保にもつながるのではないでしょうか。

これは、職場ごとにできることもあれば、市や国に動いていただきたい部分でもあります。様々な職種がありますが、職種ごとに業務内容や時間は大きく違いますから、それぞれに合わせた法律を作っていくべきではないかと感じます。

年始から震災があり、多くの被害が出ました…

(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)

(トラベルニュースat 2024年2月10日号)

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