リニューアル お客様の反応を直に感じよう
暖かな春がやってきました。
やはり日本の花である桜が咲く季節は、それだけで空気が華やぎます。私の旅館に咲く河津桜も2月の終わりから咲き始めて、宿泊のお客様や観光のお客様にもたくさん喜んでいただきました。花がもたらす効果は絶大ですね。旅館やホテルにもよく花が飾っていますが、客室に小さな一輪挿しだけでも生け花があると空気が変わります。小さな花から、おもてなしの気持ちや季節を感じることができます。手間暇がかかることではありますが、この気持ちを大事にしたいですね。
少し前になりますが、福井県あわら温泉の「湯快リゾート 青雲閣」のリニューアルイベントにお邪魔しました。こちらはかなり昔から知っていますが、本当に大きく変わりました。お食事会場はゆったりとした作りで動線がきっちりと確保され、バイキングの流れもとても良くできておりました。ロビーの明るい作り、福井県の特色を生かしたロビーのお子様スペースや、遊び心いっぱいの客室は驚きます。地域性がよく出ており、せっかく福井県に来たならここを選びたい、と思わせるリニューアルでした。
試行錯誤を繰り返してのオープンであったかと思いますが、ここからがまた始まりですね。従業員の皆様はこれからのお客様の反応を直に感じられることができますから楽しみで仕方ないと思います。私も自分の旅館のリニューアルの時のことを思い出しました。胡坐をかいていてはいけませんね。まだまだ頑張らなければいけません。
コロナ禍を挟み、リニューアルをされてきた旅館ホテルはたくさんあると思いますが、設備を変えただけでゴールと思ってしまっていませんか? お金をかけて新しくした設備をもとに、従業員のサービスも向上させていくことで、より大きな飛躍につながります。努力は続けなければいけませんね…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2024年4月10日号)
- 携帯電話の功罪 対人関係育成のために(24/09/12)
- 閑散期対策 お客様に伝わる“ひと手間”(24/07/16)
- 効率化 従業員と対話する時間を(24/06/14)
- 石和温泉と新入社員 食事空間づくりは全体の務め(24/05/15)
- 客前料理 ソムリエのように接客する(24/03/15)
- 8時間労働 料理人の就業環境とは(24/02/14)
- 和食を考える 「おせち」は究極の健康食(23/12/12)