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茨城県取手市「小堀の渡し」 住民の足から観光の目玉に

かつて全国の川には渡し船がありました。しかし、次第に多くの川に橋が掛けられて、渡船の利用客は減少して、やがて渡し船が姿を消したところがほとんどです。そうした中で、珍しく市営の渡船が新造されたと聞いてでかけてみました。

茨城県の取手市営の渡船で、「小堀の渡し」の名称で親しまれています。「小堀」と書きますが、読み方は「おおほり」とのこと。JR常磐線の取手駅近くの利根川の河川敷の乗場から、利根川を挟んだ小堀地区との間を結び、航海時間は13分です。昨年3月に3代目の市営渡船「とりで」が就航しました。

このあたりの地図を見てみると、小堀地区の面積は小さく、しかも我孫子市に隣接しており、取手市とは利根川を挟んだ飛地となっています。こうなったのは、かつて利根川が小堀地区近くで大きく蛇行しており、しばしば洪水に見舞われていて、大正時代に湾曲部を切り離して利根川がまっすぐにつけ替えられたために、湾曲部にあたるこの地区が取手市とは川を挟むことになったためだそうです。まさに陸の孤島となった小堀地区の住民は市街地まで渡船で渡っていましたが、戦後になって市営船が運航されるようになりました。

平成になって道路網が整備されて、市街地への循環バスも運行されるようになり、次第に渡船の利用客は減ったといいます。バスの方が運航頻度も多く、所要時間もほとんど一緒なので当然でしょう。渡船乗船時に船頭さんに聞くと、最近は観光客の方が数が多いとのことでした。1周50分のミニクルーズも行っており、料金は往復運賃の400円とお手ごろさらに3−6人のグループには、渡船によるミニクルーズに小堀地区の徒歩観光をセットした「小堀の渡しミニツアー」も予約制で受け付けています…

(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)

(トラベルニュースat 2021年7月10日号)

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