北海道クルーズ振興協が20周年
去る5月23日、札幌市の北海道運輸局の入る庁舎ビルのホールで、北海道クルーズ振興協議会の20回目の総会が開催されました。北海道は、初夏には少し早い季節でしたが新緑が目にまぶしく、夜はまた寒いですが昼の気温は快適でした。
さて、クルーズ振興協議会とは、国土交通省海事局の旗振りのもと、日本のクルーズを振興するために各地の地方運輸局を核として設立された組織です。それぞれの管轄の地方におけるクルーズ客船誘致や、地元クルーズマーケットを育成することでクルーズ産業の振興を図ることを目的としており、北海道から沖縄まで各地で活動しています。この中の北海道クルーズ振興協議会では、20年前の設立総会で特別講演をさせていただいたことから、今でも会員にさせていただいています。
今年の総会での報告によると、北海道への各港へのクルーズ客船の寄港数は、2022年は日本籍船のみで延べ31回と低迷しましたが、今年は延べ118回の予定で、コロナ禍前の約130隻にほぼ戻る勢いとのこと。中国発着のクルーズも開始されたので、さらに上積みされて、過去最大となる可能性もありそうに思います。
20年前の設立総会での講演の中で、筆者は、夏季限定の北海道発着の定点定期クルーズを誘致することを提案しました。その結果というわけではありませんが、08年には商船三井客船の「にっぽん丸」が夏の終わりに小樽発着のクルーズを数航海行う「飛んでクルーズ北海道」シリーズを実施しました。これは毎夏の定番クルーズとして定着し、今年も8月末から9月にかけて5回行われます。寄港地は、利尻島と知床半島の羅臼です。
このクルーズは、札幌空港まで飛行機で飛んできてクルーズに乗るフライ&クルーズ客をターゲットとしたもので…
(池田良穂=大阪府立大学名誉教授・客員教授)
(トラベルニュースat 2023年6月10日号)
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