楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

貸切バス手数料を報告義務化 観光庁、業界団体へ通達(1) 8月1日から改正法施行

観光庁は8月1日から義務化した「貸切バスの手数料記載」について、全国旅行業協会(ANTA)など旅行業団体や日本バス協会に会員への周知を図るよう通達した。手数料が高くなることで、運賃の下限割れや安全対策コストが圧迫されないようにするもので、運送申込書・引受書に「手数料等」を記載することを義務づけた。手数料が多額で運賃の下限割れがあったと判断した場合、貸切バス会社には営業停止命令、旅行会社には業務改善を求める。

「運送引受書」に記載求める

8月1日に改正されたのは「道路運送法第9条の2第1項に規定する一般貸切旅客自動車運送事業者(貸切バス事業者)運行のバスを利用して旅行を企画・実施する旅行業者等又は旅行サービス手配業者が旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項について」。

貸切バス事業者が交付する「運送引受書」に手数料金額を記載するとともに、旅行会社もその記載内容について「十分に確認を行うものとする」というもの。運送引受書に手数料の記載がある場合は、貸切バス事業者と旅行会社の間で締結した契約書面の写しも、契約の有効期限終了以降も1年間保存することを義務づけた。

国土交通省と観光庁では、2016年1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故を踏まえ、事故対策検討委員会を設置し「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」を実施してきた。その後も、実質的な下限割れ運賃の防止に向けた取引環境の適正化を図っていた。

貸切バスの手数料記載

手数料が安全を妨げているとは考えたくないが…
(写真はイメージ)

今回の改正に伴う観光庁の通達文には、「貸切バス事業者が、運送を申し込む旅行業者等に対して、あっ旋手数料を支払うことは、商慣習上定着している取引」としているものの、「過大な手数料の支払いによって、貸切バス事業者の安全コストが阻害されていると判断された場合は、貸切バス事業者は道路運送法違反に問われるとともに、貸切バス事業者と取引を行った旅行業者等に対しても、旅行業法に基づく業務改善命令の対象となる」としている。

また、手数料を「広告宣伝費」「協力金」などの名称で取引が行われている場合でも同一であると判断する、とした。

(トラベルニュースat 19年8月25日号)

(次の記事)貸切バス手数料を報告義務化 観光庁、業界団体へ通達(2) 宣伝費や協力金の抜け道閉ざす

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
海と生き海を守る三重鳥羽の旅

鳥羽市の基幹産業である漁業、観光業が連携を図り、漁業者と観光事業者が抱える課題を出し合って...

蒙古襲来750年・歴史とロマンを感じる長崎県壱岐・松浦

時は鎌倉、大陸から元が日本へ侵攻した一度目の蒙古襲来(元寇:文永の役)から今年で750年。...

個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ