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GoTo右往左往 中小旅行社、事務局に不満(2) 大手やOTAとの差異明らか

ネット不慣れな年配はどうするのか 地域共通クーポンにも疲弊

別の旅行会社は「9月の連休前から、店舗カウンターに行列ができるようになった。1―2時間待ちはザラ。スタッフも疲弊し夜9時や10時まで連日がんばってくれていた。ところが、給付枠の限度額が判明し、10月下旬にGo Toを止めた。来店客にけなされ、ほかにGo Toをやっている店を知らないかと言われる状況だ。近隣の大手の店舗には十分に給付額があり予算が余っているという。同じ旅行会社でこの差はなんだろうか」と憤る。

その憤りは、国のOTA対応にも向かう。10月上旬、OTA大手が一斉に割り当てられた給付額が限度額に達したためGo To対象の割引率を引き下げると発表した。マスコミもこぞって取り上げたところ、数日後には給付枠を追加し従来の割引率が維持されることになった。

「中小旅行会社がこれだけひっ迫しているのに手を差し伸べない。年配の方はネット予約に慣れておらず、我々のところに来店されているのに」と嘆き、弱者救済という意味でもGo Toの制度的な欠陥を指摘する旅行会社もいた。

さらに、Go Toに伴い発行する地域共通クーポンの取り扱いに疲弊する姿も。「毎日毎日、クーポンにシールを貼っている。間違ったら弁償しなければならないし、シール貼りやハンコ押しが売り上げになるわけでもない」。

別に話を聞いた旅行会社は、大手旅行会社のパッケージツアーを代売していた。「大手は予算枠にまだ余裕があるのだから、我々が代売した分を御社の予算枠で対応いただけないかと要請した。が、断られた。一部大手は対応してくれているが、提携販売のあり方を見直すことも考えないと」。

最後に話を聞いた経営者は「これだけ現場が振り回されているのに、事務局に問い合わせても的確な回答がない」と、予算枠はわずかしか残っていないが山積みのままの地域共通クーポンを嘆いていた。

(トラベルニュースat 20年11月25日号)

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