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シーモアレジデンス ワーケーションの宿

和歌山県白浜温泉。温泉立国の日本において道後、有馬とともに日本三古泉の一つである。高度成長期には関西方面の企業の社員旅行や新婚旅行のメッカとして成長してきた。

1990年代のバブル経済崩壊により、全国各地で温泉旅館の倒産や閉館、廃業が相次いだ。白浜温泉も例外ではなく、温泉のイメージリーダーである白良浜を眼前にした旅館が閉館したり、リゾートマンションが経営破たんしたり、企業の保養所が次々に閉鎖したり、従来の華やかなりし面影をなくしてきた。

が、そんな時にこそイノベーションは起こる。その良き事例が「SHIRAHAMA KEYTERRACE HOTEL SEAMORE & SEAMORE RESIDENCE(シラハマキーテラス・ホテルシーモア&シーモアレジデンス)」である。

ホテルシーモアとシーモアレジデンスは隣接しており、白を基調とした外観は都会的で海外のリゾートを彷彿させる雰囲気なのである。開放的なエントランスにロビーフロア。そしてロビーを抜けると、目の前に太平洋を望む横幅30メートルの壮大な足湯があり、いつでも誰でも無料で足湯が楽しめる。平均して1日400―500人。多い時で約1千人が利用するという。今や白浜温泉の名所とも言える存在だ。

さらにロビーには直営ベーカリーがあり、これがまたよく売れる。休日の朝などは長蛇の列。「いけす料理 円座/すし八咫」も人気の店で、すしカウンターは、特にランチタイムは予約がとれないほど。旅館だった時の姿からは想像できない進化を感じさせる。

さらに進化は続き、隣接地にある企業の保養所を取得。ワーケーションやサイクリストなどをはじめとした多様な需要に対応するためオープンしたのが「シーモアレジデンス」だ。

シーモアレジデンスは「KEY1」と「KEY2」の2棟ある。コンクリートの打ちっぱなし、配管むき出しのスケルトンタイプのインテリアに改装し、各室にユニットバスを導入。計50室のモダンで快適な客室を生み出した。加えてセルフキッチン、シェアリビングを設け、自炊を楽しみ、ゲスト同士の交流の場にもなる。レジデンスの宿泊客は、大浴場をはじめホテルシーモアのパブリック施設を自由に利用でき、温泉三昧のワーケーションを実現した。

利用は2―3泊から1カ月単位、年間150日間を借りて、社員が入れ替わり立ち替わり利用するという場合など様々。実は、ワーケーションへの取り組みは、県の施策もありコロナ前から始めていた。それがコロナになり、見事に的中したというわけ。

イノベーションとしてあげるとすれば、もう1つは“食”だ…

(井村日登美=ホテルジャーナリスト)

(トラベルニュースat 2023年5月25日号)

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