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宇和海で楽しむ春の船旅

前回はGo Toフェリーと題して、宿泊設備があって1泊の船旅の楽しめるフェリーについて書きましたが、今回はもっと手軽に楽しめるクルーズを紹介します。

桜の季節になり各地のお花見船が賑わっています。また琵琶湖も海開きとなってレストラン船が運航を始め、鳴門の渦潮を見る観潮クルーズもシーズンを迎えています。こうした1時間程度までの遊覧船もいいですが、もう少し長時間のゆっくりとした船旅を楽しめる船も各地にあります。

先日、四国の宇和島に出かけて、4時間かけて宇和海を周遊する船旅を楽しみました。運航するのは盛運汽船で、2隻の高速旅客船と1隻の在来型貨客船を運航しており、在来型貨客船の「しらさぎ」は1日1便だけですが、4時間かけて宇和海を巡ります。

面白いのは、これが観光目的の遊覧船ではなく、完全な生活航路船であることです。宇和海の島々に点在する集落に一つひとつ寄港して、人や荷物が運搬される様子を見ながらの航海なのです。ある港では、プロパンガスの大型ボンベを大量に降ろし、ある港では宅配便らしき荷物を積み込んでいました。島民の多くは速い高速船を利用しますが、時間はかかりますが安くてデッキにも出られる在来船を選ぶ島民もおり、カメラ片手にデッキにたたずむ筆者に不思議そうな視線を送ります。きっと観光で乗る人は珍しいに違いありません。

船の中には、レストランはもちろん売店も自動販売機もありません。従って、乗船前に食事をして、船上での飲み物も購入して乗る必要があります。

船が出るのは宇和島新内港で、その乗り場の横には、道の駅みなとオアシスうわじまがあり、物産品の販売だけでなく、地元料理が食べられるフートコートがあります。お勧めは宇和島風たい飯です。ご飯の上に、タレを絡めた鯛の刺身と卵黄を乗せた絶品です…

(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)

(トラベルニュースat 2021年4月10日号)

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