「『アラビアのロレンス』 完全版」 青春を取り戻せる「午前十時の映画祭」
シネマコンプレックスの大手、TOHOシネマズが一部の映画館で「午前十時の映画祭」という番組をやっていることを知っている映画ファンは多いと思う。かつて見たことのある名画をテレビ放映やDVDで見るのではなく、大型スクリーンでもう一度体験する。とても有意義で、意味ある時間のつぶし方ではないか。
僕も何度か足を運んでいるが、今年に入って1月末日、TOHOシネマズ日本橋で『アラビアのロレンス』を見てきた。この映画は僕の生涯にわたるベストムービーだ。
映画館では都合、3回見ている。最初は1964年、高校に入りたてのころだった。映画自体は日本では63年2月公開(世界プレミアは62年12月)だったが、当時はヒット映画を一年以上ロングランするのは珍しくなかったのだ。場所は有楽座だったと思う。
そのリバイバルが74年。そして95年、スピルバーグが監修した完全版227分のバージョン上映はテアトル東京で見た。その後テレビ放映では3回、DVDも買ったのでそれで2回は見ている。こちらも成長しているから、いつも新鮮に味わえる。それほど奥行きがある映画なのだ…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2020年2月25日号)
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