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「DAU.ナターシャ」 度肝抜かれる映画製作手法!ソビエト暗黒史描く

見てもいない映画について語るのはファウルプレイだと思うが、こちらの体調が万全ではなく、またコロナでの自粛でもあるので、なかなか映画館に足を運べない。

しかしながら、この映画について、ここに記しておきたい。途方もないスケールで映画が作られるものだなあ、と感服の一語だからだ。

その映画はロシアの、といっても内容的にはプーチン政権と相対立するものだから、とてもそうとは呼べないかもしれないが、ともあれロシア語がダイアローグのものだ。

タイトルは『DAU.ナターシャ』。

ソビエト連邦時代の自由が圧殺されていたころを再現した超大作だ。なかでも、政権を支える基盤となった秘密警察KGBの暗躍を描くところの迫真さは例を見ないという。

KGBはモスクワの中央、ジェルジンスキー広場にあり、一度、ここに呼び出された人の大半は世間に戻ってこない地獄と呼ばれたところだ。

今回、公開されたのは、そのKGBの暴虐非道を描いたパートで今後ソビエト現代史のほかのダークな部分が続々描かれていく大河ドラマになるようだ。

聞いてびっくりしたのは、その撮影スケジュールだ。

監督のイリヤ・フルジャノスキー氏は1万2千平方メートルの巨大セットをつくり、そこにスタッフとキャストを3年間住まわせ、食べ物も衣装もその時代と変わらないものをあてがい、生活させたという。スタッフ・キャストとも、その時代の息苦しさを身をもって体験させられたわけだ…

(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)

(トラベルニュースat 2021年3月25日号)

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