「トラベルP」登場の時代間近
音楽の聴き方がCDや楽曲ファイルのダウンロードから、ストリーミングや動画配信サービスに変わったことにより、新曲の出るスピードや量がどんどん増えています。その背景にあるのがテクノロジー。
最近、若い方がよく聴いているYOASOBIやヨルシカといった音楽ユニットの共通項は、もともとバンドを組んでいたわけではなく、作詞・作曲をするボカロPとボーカルの女性が人を介してマッチングされ生まれたということ。ボカロPとは、ヤマハが開発した音声合成技術、ボーカロイドを駆使して曲を作るプロデューサーのことで、彼らは五線譜の代わりにパソコンと音楽キーボードを使い、曲を作っていきます。当初は、生身の人間ではなく、初音ミクといった合成音声に歌わせ、動画投稿サイトで配信していくうちにファンが増えていくというわけです。
ひと世代前の方はピンとこないかもしれません。バンドといえば高校時代に組んで生まれた、というのは少し前までのよくある話。今や曲もバンドもサイバー空間とリアルが偶然にマッチングされて生まれていくので、これまでより早くかつ多く楽曲やユニットが増えていくようになりました。
男女の出会いも今の主流はマッチングアプリ。恋愛のしかたもまったくといってよいほど変わりました。
一方で、まったく変わらないのが旅や宿の買い方です。
しかし、私はまもなく旅もあるタイミングで変わると思っています。それは、多くの旅プロデューサー、仮称トラベルPが生まれ…
(井門隆夫=高崎経済大学地域政策学部観光政策学科教授)
(トラベルニュースat 2021年2月25日号)
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