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SNSの歪みを正す役割

統一地方選挙が一段落しました。若い人の投票率が高くなるほど政権与党の当選確率が高くなったのではないでしょうか。選挙権を18歳に下げたのは現在下野している民主党政権でしたので皮肉としかいえません。

ただし、これは政権与党の政策が認められたからではありません。現代の若者は批判する人を支持しないだけです。「批判だけして代案を示さない」ことに対してのアグレッションは私も常々受けます。批判的思考というのはマネジメントの世界ではよく使われますが若者には禁句。多面的思考と言い換えなくてはなりません。つまり、批判する人たちが野党のイメージになっている限り、野党の復権はないのです。論破するひろゆき氏等は言語道断。大人は支持しても若者は批判する人に批判的です。

批判アレルギーの原因は、SNSです。狭いSNSのヨコ世界で承認を受けるために、若者は日々あらゆる動画を視聴しておかなくてはなりません。若者が疲れているとしたら毎夜これをしているからです。

そして、少しでも同調しなかった時に受けるのが批判というアグレッションなのです。

そのため、SNSというコンフォートゾーンからいかに抜けさせ、ストレッチゾーンへと導き、承認してあげるかが大人の役割です。その前にリアルなコンフォートゾーンを作ることも必須。四万温泉や城崎温泉で合同入社式を実施していますが、これは全国でやるべきです。まずは「同期」を作ってあげることが大人の最初の役割です。

SNSに個性を歪められ、悩み、精神に不調を来す子どもたちの増加は異常値に近い状況で、通級指導という個別指導の波が大学まで要求されるようになりつつあります。これは親や学校だけではどうしようもありません…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2023年4月25日号)

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