レジリエンス力を発揮しよう
新年早々、能登で大震災が発生してしまいました。被災された皆様には心からお見舞いとお悔やみを申しあげます。和倉温泉はじめ能登の旅館の皆様も大変だったことと思います。これからの復興とその後の一層の繁盛を願っております。
日本では関心が低いのですが、世界の科学者が発信していたとおり、元日朝、6年ぶりに太陽黒点の極大化に伴うスーパーフレアが発生し地球を直撃してしまった影響もあるのではないでしょうか。2024年は数カ月間、黒点の極大化が続くと言われています。
北海道で低緯度オーロラが見えるのも、SNSで虹色に輝く彩雲の投稿や人工衛星の落下と思われる動画が発信されているのも、フレアによる地磁気異常に伴うものと推察できます。太陽はおよそ11年おきに活発となり、フレアを起こしやすくなります。ちょうど今年はそのピークにあたります。
大規模フレアは、地球上の大噴火との関連もあるようです。昨年来、アイスランドでは首都近郊で噴火が続いています。大規模フレアが来た1985―86年には、南米コロンビアの大噴火や三原山が噴火、93年には普賢岳が、15年には箱根山が噴火しました。
一方、長期間にわたりフレア発生がないと小氷期となります。有名なのは江戸時代で、江戸初期には度重なる飢饉が起こり、社寺参拝や湯治の発達につながりました。
私たちは宇宙の中で生きている限り、自然現象とは常に隣り合わせ。そうした自然現象が文化や経済、生活にも影響してくるのでしょう。フレアが起こる年は、バブルが起きたり、景気が良くなると言われます。そこまで言うと眉唾に聞こえてしまうのですが、バブル崩壊やリーマンショックが起きているのは太陽黒点が最小となった年ですので、何らかの因果関係があるのかもしれません。
おそらく自然災害はこれで済まず、またどこかで何かが起きるかもしれません。ただ私たち日本人はレジリエンス力、お互いが支援して復興していく力を備えています…
(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)
(トラベルニュースat 2024年1月25日号)
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