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旅で感じた地球と学生の“異変”

毎夏、学生を連れ出してアジアを巡っています。今の学生は、理由を付けないと海外に行こうとしないのですが、交流を深めるという理由でベトナム・カンボジア・タイの地方部を2週間バスで巡ってきました。

気づいた点は2点。ひとつは虫が年々減っていること。毎年、学生は蚊や蟻などの虫に悩まされるのですが、今年はそれほどでもありませんでした。世界の科学者が警告している通り昆虫は10年で9%ずつ減り、同時に鳥類も減っているのでしょう。連鎖的絶滅は生態系を失わせ、人類は滅亡へと向かっています。昆虫が消えたのは、森を削り農薬まみれの作物を作っているから。学生は車窓から多くの大麻栽培の畑を見てきました。ヤモリの鳴き声も減り、アジアの夜は静かで不気味になりました。気候変動と人口減少が人類の2大危機要因ですが、よくない方向に向かっていることだけが日々の旅からわかります。

もうひとつは年々学生が幼くなっている点。一方で、年々まじめでいい子になり、夜通し酒盛りするような学生など誰一人いません。それはご家庭で大切に育てられたからだと思いますが、誰もが小中高のことを話したがりません。子どもたちの90%がいじめを受けたことがあると言われますが、いじめる方も実は多い現実を物語っています。そしてそのいじめとはマイクロアグレッション(小さな攻撃)といい、明らかないじめではなく、ちょっとした言葉遣いなどです。今では学生をほめると嫌がれるように平等でなくてはなりません。平等でなくす行動がマイクロアグレッションなのです…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2024年9月25日号)

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