ワクチン接種 パスポート制度が導入?
欧米を中心にCOVID−19感染症のワクチン接種を促進させる動きが加速しています。
アメリカではワクチン接種完了者は原則としてマスクを着用する必要がないことをCDC(米疾病対策センター)が決定し、州によってはワクチン接種完了者だけが受けられる様々な特典や優遇措置が設けられています。施設管理者などがマスク着用を求めた場合には従わなければなりませんが、基本的に普段の生活上ではマスクが不要となり、住民の社会・経済活動の制約はなくなりました。
EU(欧州連合)は、ワクチン接種の終了とPCR検査等で陰性だったことを証明するワクチンパスポート(正式名称=デジタルグリーンパス)を6月中旬から導入する方針を決め、域外からの旅行者が欧州内で自由に移動することを認めようとしています。
5月4日に開催されたG20観光相会合でも「旅行や観光の再開は世界経済の回復に不可欠である」と声明が発表され、「安全な国際間の移動のイニシアチブ」の支持と連携の意向を示したことでワクチンパスポートの普及を認めています。
特に今年のG20議長国を務めるイタリアは、他国よりも早く今月からワクチンパスポート制度の実施を決め、ギリシャはすでに14日からEU加盟国に加えてアメリカやイギリスなど53カ国からの旅行者受入を始めました。どちらの国もGDP(国内総生産)に占める観光産業の依存度が高く、夏のバカンスシーズンまでに海外からの旅行者受け入れの拡大を狙っているのは明らかです…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2021年5月25日号)
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