自然災害への対応-風評対策もマーケティング
前回の台風と地震による災害時の話題には予想以上に多くの方々から反応をいただきました。今回は災害後の風評被害対策で気になったことをお話ししたいと思います。各地での様々な取り組みに関してはマスコミでも取り上げられていますが、その中には何のための対応なのかと理解に苦しむものもあります。
例えば、某鉄道グループによる某駅前での鹿せんべいの無料配布です。台風21号による被害で訪日外国人旅行者の減少を危惧した観光庁が「関西インバウンド観光リバイバルプラン」として打ち出した事業の一環であり、その目的はリピート客の獲得と安全情報の発信でした。
実際、配布ブースには行列ができるほどの大盛況となったものの、インタビューを受けたドイツ人観光客の感想は「鹿せんべいを買おうと思っていたので、無料でもらえて嬉しい」だけでした。鹿せんべいの配布時にリピーター化や、SNSなどで本当に情報発信してもらえるような取り組みがなければ、単純に「鹿せんべいをタダでもらえてラッキー」で終わったとしても仕方ありません…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2018年10月25日号)
続きをご覧になりたい方は本紙をご購読ください
NATO廃絶 の新着記事
- DMO全国会議 “稼ぐ司令塔”の役割果たせず(24/03/06)
- 海外メディアの日本評 軒並み上位も、口コミは…(24/01/31)
- 日本のサービス収支 外資系への流出が赤字生む(24/01/11)
- 国内旅行シフト 地方には絶好のチャンス(23/12/01)
- 脱アウトバウンド 旅行社の提案力が試される(23/11/06)
- ATWSに初参加 日本の評価は高いものの…(23/09/29)
- 中国 訪日団体旅行 期待と懸念が交錯する解禁(23/08/31)