緊急事態宣言が延長 解除基準の数値目標に望み
政府は8月17日、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の追加及び、宣言が出ていた地域への期間を9月12日まで延長することを決定しました。
これによりCOVID―19感染症対策の制限対象が29都道府県に増えています。また翌18日には40都道府県で新規感染者数(陽性判明者)がステージ4の「爆発的感染拡大」相当となり、厚労省に助言する専門家組織から「全国各地で災害レベルの状況にあるとの認識での対応が必要」と発表されました。
連日のニュースで恐怖心を煽られた方も多かったと思います。観光関連事業者にとっては満身創痍で堪えているところへ追い打ちをかけるような報道でした。
その一方で、同じ17日と18日に政府から発表された別の記事の内容には少しだけですが前向きに捉えられるものがありました。
17日の菅首相の記者会見では、「医療提供体制の確保」が宣言と措置を解除する場合の前提であることが明確に示され、18日には加藤官房長官からも宣言と措置の解除基準を見直す検討に入ったことが発表されています。
特にこれまでの都道府県の感染状況などを各ステージ別で判断する指標から、ワクチンの接種状況や重症者数などをより重視することになったのは大きな転換点となりそうです。宣言発令と解除の判断において「新規感染者数」や「医療の逼迫具合」などの指標で「ステージ4」相当かどうかを目安するのが現状に合わないことは欧米諸国の対応を見ればはっきりしています。
しかも、政府としては新たな宣言期限となる9月12日までの解除を見据えているのか…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2021年8月25日号)
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