DMOの役割 地域として稼ぐことが重要
観光庁が主催する「全国DMO会議」が3月9日に国際フォーラムで開催されました。和田長官からの基調講演「DMOに期待される役割」と第1部の取り組み事例発表の後、第2部のパネルディスカッション「持続可能な観光地域づくりに向けて」のモデレーターとして私も登壇させていただきました。
和田長官の講演では、前回の当コラムで解説した新たな観光立国推進基本計画の素案内容の重要なポイントについて簡潔に説明されていました。特に観光立国の実現に関する目標に関しては、訪日外国人旅行者の消費額=5兆円と国内旅行消費額=20兆円の早期達成を目指す「稼ぐ観光」を推進するスタンスが明確だったと思います。
持続可能な観光の推進についても、地球環境に配慮した旅行のあり方だけでなく、地域社会・経済の持続可能性を高める観光地づくりのための観光振興が生む域内の好循環を加速させることが示されていました。
パネルディスカッションは5名のパネラーが登壇したのですが、時間がたった60分しかなったのでモデレーターとしてはかなり絞ったテーマで議論するしかありませんでした。それでも持続可能な観光地を形成するためには、DMOが稼ぐことより地域として稼ぐことや経済波及効果を向上させることが、今後のDMOの役割として重要であることを議論を通して確認できたことは良かったと思います。
また、DMOのマーケティングにはデータの収集・分析による市場の現状把握やSTP(セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニング)、CRM(顧客関係管理)によるリピーター獲得など…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2023年3月25日号)
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