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観光業界の未来を紡ぐ 鈴木治彦vs星永重・全旅連青年部部長対談(4) アンテナを高く据えて

仕事を任せる重要さ

―海外は別のお話もありますよね。

 そうそう、治さんが1回目のニューヨークから行っている世界民泊会議。

鈴木 国内の同業者で話するだけでは考え方も同じで、いつか刺激がなくなってきます。そんな時、海外のホテルやアライアンスと交流する場があり全然違う刺激を受けました。青年部に初出向したような気持ちで行ける、新しい発見しかないという感じでした。

 バルセロナの著名な方が講演した時にやたらに出てきたのが「日本を含む観光発展途上エリアであるアジア」という言葉。イライラして、日本人根性がふつふつと湧いていました(笑)。

鈴木 スペインやフランス、イタリアなどから見たら、日本なんかそうですよ。結局インバウンドが増えて、海外のお客様と接する機会が増えたところで、インバウンドで来る人は日本に好意があって、興味があって来ているわけじゃないですか。だから、悪い情報が入ってこない。でも、現地へ行ってみて同業者などと話をすると、日本はまだまだ。それを感じられて、新しいことにトライできるのが自分たち青年部の強みです。

 いい経験でした。これは続けたい。

鈴木 世界民泊会議は毎年秋と春に2回あるんですが、コロナで丸一年休んでいます。ある程度ワクチンが流通して次の秋にパリで開催できたらその次、来春が日本かな。実はこれも今期できなかったことですね(笑)。

 観光庁に後援までもらっていました。次に来た時には欧米人をビックリさせてやろうと思っているんです。

鈴木 そういうアンテナは、青年部がこれから10年経っても、20年経っても高いところに据えていろんな情報をキャッチしてほしい。従来やっていたことをすべて踏襲するのではなく、つねにそういうセンスを入れていってほしいですね。

政策委員会や流通委員会だから、その大会に参加するのではなく、若い子が行ってしっかりと感じてもらうことが大事。自分の次のビジネス展開に生かせることがいっぱいあるし、有志でどんどん参加すればいい。そういうところに連れて行ってください、と手が挙がってくるようなチームに青年部がなれば、もっと事業も活性化するだろうし、出向自体に意義を感じてみんなが楽しいだろうなと思います。

―昨年9月に大分県別府温泉で開かれた臨時総会で、価値観が変わったというあいさつを星さんがされていたのが印象的でした。

 今までは何でも自分でやるという形でやってきたんですが、人にやってもらう役職であることを徹底することにしました。委員長時代の癖が抜けなくて、自分でやってしまうことが結構あったんで、治さんからも「やらせたら、ええんよ。自分はデンと構えていく」とよく注意されました。青年部はみんなが次世代の経営者の中で、そのポジションでやるのは自分の会社とは少し感覚が違う。それは面白いと思いながらも、結構むずかしい。役職をして勉強をさせてもらい育ててもらっているというのが僕の場合、毎回あります。

だからこそ、治さんの期だったから部長になる決意ができたんだと思います。ほかの部長では、次やらせてくださいとはならなかったように思います。

―なぜですか?

 治さんの背中がめちゃめちゃデカいのもあるんですけど、やらせてくれたからです。「それ、お前やれ」と。この投げ方が僕にとって気持ちいい。ほかの副部長もそうだと思うんですよ。気持ちのいい投げ方をする。結構見てないように見えますけど、洞察は青年部随一じゃないですかね。球の投げ方うまい。結果、うまくプレイさせてもらえるんですよ。今期のメンバーは気持ちいいと思います。

だから、来期もすぐに仕事を投げ、してもらいたいなと思います。ただ治さんとセンスは違うので、副部長のみんなに手伝ってもらわないといけなませんが、仕事をしていて気持ちいいなぁと思ってもらいたいですね。

(トラベルニュースat 21年2月10日号)

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