信頼回復と事業継続 旅行業2団体が総会(1) JATA総会・コンプライアンスを徹底
旅行業の2団体、一般社団法人日本旅行業協会(JATA=1113会員、髙橋広行会長)と一般社団法人全国旅行業協会(ANTA=5370会員、二階俊博会長)の2023年度通常総会が相次いで開かれた。ウイズコロナ・アフターコロナ期の旅行業確立に向けて、会員会社の不祥事が続いたことからコンプライアンスの徹底と信頼回復に努める(JATA)、会員会社の事業継続のための施策を重点事業とする(ANTA)ことを掲げた。
海外旅行復活、国内団体需要喚起図る
JATAの2023年度総会は6月22日、東京・丸の内の経団連会館で開かれた。
髙橋会長は冒頭「コロナ関連の国や自治体からの受託事業においてJATAの信用を著しく失墜する事案が相次いで発生しています。この数年来、会員会社によるコンプライアンスに係る問題が続いていることに対して、対策として行ってきた研修会やセミナーでは不十分だったと言わざるをえません。観光庁の指導で踏み込んだ対応策を実行する必要があります。コンプライアンスは経営の根幹。すべてに優先することを共有し、信頼回復に取り組みます」と決意を示した。
来賓として出席した観光庁の池光崇審議官も「コロナ禍の3年3カ月、苦しい時間を、国も必死に事業者を支援しました。そうした中、報道のようにいくつかの有名な旅行会社で、コンプライアンス上の残念な事案が起き、社会問題になっています。支援の原資は税金であり、社会からの厳しい目は当然であり、こうした事案は業界への信頼低下につながります。今一度、業界、事業者として法令順守が隅々まで行きわたり、根付くよう継続して努力してほしい」と要請した。
すでに理事会で承認されている23年度事業計画について、海外旅行復活へ向けた活動としては海外旅行の機運醸成を第一にパスポート取得支援、Z世代への需要喚起に取り組む。国内旅行は依然低調な法人旅行や団体旅行、貸切バス旅行について長期的需要喚起を図っていく。訪日旅行は数から質への転換を明確にし、サステナブルツーリズムやアドベンチャーツーリズムの拡大などで富裕層への取り組みを強化する―とした。
ツーリズムEXPOジャパンは10月26―29日に大阪市住之江区のインテックス大阪で開催する。
役員人事では志村格理事長が退任し、後任には元観光庁次長の蛯名邦晴氏が選任された。
(トラベルニュースat 2023年7月10日号)
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