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「ショーケン、萩原健一さんの死に思う。」 腹八分目の人生なんて、くそくらえ!

黒澤明監督のあまり褒められない映画『デルス・ウザーラ』について、「あれは、カスタネダのドン・ファン本やラテンアメリカ文学のマジック・リアリズムと似ているんですよ。(中略)ウザーラが森の神の虎を撃ってしまって、眼が見えなくなる。あれは『大菩薩峠』でしょう。巡礼のおじいさんを斬るのと変わらない」というコメントをする人がいた。

帝政ロシアの冒険探検家の映画について、さらりと気負わず、南米文学や中里介山のニヒリズムの類比が出てくるなんて、深い教養の持ち主だと思うが、このコメントの主が先ほど亡くなったショーケンこと萩原健一さんだ。

ショーケンは自他ともに認める無頼派であることは間違いないが、無頼イコール乱暴なだけの人生じゃない。高卒だというが、グループサウンズ卒業後、俳優を目指した彼は、誰にひけらかすこともせず、豊饒な読書生活を送ってきたようだ。そんなショーケンの思索者としての側面を誰も報道していないのは、本当に怠慢だ。

そのことは2010年10月にワニブックスプラスという新書で出版された『日本映画[監督・俳優]論』を読めばわかることだ…

(松坂健=跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)

(トラベルニュースat 2019年4月25日号)

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