苦境に耐えうる「真水」を 全旅連・多田計介会長にコロナ禍の現状と展望を聞く(2) 収束後に向け地域、宿の魅力再構築
青年部と連携密に 職員のがんばりあってこそ
―県外への移動が自粛されている中、現在はどのような活動を実施されていますか。青年部に任せている要望活動があれば教えてください。
感染拡大防止のため移動などの自粛により県外への移動、会議、イベント、そして旅行へ、その影響はご存知の通り社会生活・経済活動を揺るがしました。このゴールデンウイークも全国の観光地は閑散として、かつてない光景です。全国の仲間が休業協力をして耐え忍んでいます。
ステイホーム! 人々は三密を避け、新型コロナウイルス感染の嵐が去るのをひたすら我慢しているところですが、5月6日以降も非常事態宣言のさらなる延長を受け、まさに忍の一字で不安がないとは言い切れない状況です。
また、連合会活動も制約され出しました。そんな中、全国旅館会館にて4月14日、全旅連青年部の鈴木治彦部長と青年部による陳情要望に関するすり合わせを行いました。緊急事態宣言直後でしたので絞り込んだ形となりましたが、あの時に活動してくれた結果は幾つかあります。特にまもなく補正予算に組まれる観光振興策のGo To!キャンペーンです。復興起爆剤となるように期待するところです。
―全旅連会員から聞こえてくる現場の声を教えてください。
消毒液・マスクの入手が困難なこと。運転資金借入が実際容易ではないこと。旅館ホテルで感染者が発生した場合の対応について、雇用調整助成金の申請手続きについてなどが多いですね。
一方で、マスクが不足し高額品や不良品が横行する中、シルバースター部会の中村実彦部会長のネットワークで中国よりアメリカFDA、EU基準をクリアした正規品マスクを会員に販売紹介できました。第一次で110万枚のリクエストに対応しました。
また、私にアドバイスや情報をくださる竹村泰文氏(関東学園大学教授)や羽室文博氏(元楽天ディレクター)のお2人の全旅連アドバイザー、組織として総務会、正副会長、全国理事長の皆さんの存在はたいへんありがたい。全旅連青年部諸君も新型コロナ感染問題に毅然として立ち向かい、フットワーク良く活発に動いています。
さらに、忘れてはならないのが、全旅連本部が機能障害を起こさないため、たいへんな環境下の最前線で東京や全国で勤務する職員の皆さんの存在であります。だからこそ、浅学非才な私でも頑張れるのです。物事は捉えようで、この機に遭遇したからこそなせることがあるのだと感じています。
(トラベルニュースat 20年5月10日号)
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