貸切バスで安心安全な旅を(1) 感染防止対策の徹底アピール
Go Toトラベルキャンペーンで復調してきた個人旅行とは対照的に、貸切バスによる団体旅行は依然低調なまま。修学旅行など教育旅行、低人数のバスツアーの一部で回復の兆しは見られるものの需要回復とまでは言えない。近畿運輸局はバスを含めた公共交通機関の感染防止対策セミナーを、和歌山県バス協会は貸切バス換気性能の実演を実施。感染防止をした上で安心安全な旅をアピールし、貸切バスの需要喚起を図っている。
「自助努力には限界」も対策講じ難局打破へ
和歌山県バス協会(久保洋介会長=和歌山バス)は10月24日、和歌山市の近畿運輸局和歌山運輸支局に県内の旅行会社19社を招き、貸切バスの換気性能、感染対策をアピールした。
和歌山県内では、協会に加盟する30社が約300台の貸切バスを保有している。営業収入ベースで今年5月はまったく稼働がなく、6月に前年度比99%減、7月に同92・9%減、8月に入っても同91・2%減と苦戦が続く。県内小中学校の修学旅行が県内に振り替えられたため、9月以降持ち直しつつあるが、それでも「自助努力には限界がある」(久保会長)という状況だ。
この日は、車内で白いスモークを発生させ、5分程度で車内の空気が入れ替わることを実演。加えて、会員バス会社を代表して龍神自動車の感染対策が紹介された。
同社では、車内空気を浄化、抗菌する装置をバス車内に備え付けているほか、光触媒コーティングで抗菌・消臭加工を実施。座席前後での飛沫拡散を防止する使い捨てパテーションなどの対策を徹底している。
バス協会の森下清司専務理事によると会員バス会社もそれぞれ対策を実施しており、「新型コロナウイルス感染防止対策バス」のステッカーを配布。利用者の安心感醸成に努めているという。
来賓の門博文衆院議員は「皆さんの窮状を知り、しっかりと意見交換して難局を乗り切りたい」と話していた。
(トラベルニュースat 20年11月10日号)
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