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若者 日本料理を憧れの存在に

賑わったゴールデンウイークが過ぎ、夏休みシーズンまでの落ち着いた時期になっています。見ていると、マスク着用も地域によって対応がバラバラですが、接客業でもマスクを外しているところもあり、少しずつコロナ以前の様子がうかがえるようになってまいりました。

顔をしっかり出して仕事をすることはしばらくありませんでしたが、やはり接客業にとっては「表情」も重要なサービスの一つです。目だけ見てもおもてなしの気持ちが伝わるのが一番ですが、できれば本来のスタイルを取り戻したいものです。学校などでは「結局3年間マスクをつけたままで、まともに顔を見たことがないまま卒業した」という子どもたちもいるようです。それは本当に悲しいことですね。十分に予防した上でも、より自然体で過ごせる社会を少しでも早く取り戻したいと願います。

先日は、京都の天橋立にある「松露亭」にお伺いさせていただきました。この旅館もリニューアルし、客室やお食事処が大きく変化していました。素晴らしい眺望を生かした空間が心地よい造りになっており、随所に高級感とおもてなしの心が見てとれました。柱ひとつ見ても、こだわりを感じられますし、家具の配置も動線だけでなく景色の見え方を考えた配置になっていました。様々なところへ出向き勉強し、良いところを採り入れたのだなと感じます。もちろん、いただいた料理も料理人の技を十分に感じられる満足できるものです。隣からも、料理人の技に感嘆する声が聞こえました。

こうして各地を回らせていただく機会が増え、現場や学校などで話を機のですが、人手不足という悩みはどんな場所でも出てきます。そして、料理人を目指す若者も和食ではなく洋食の方にいく割合が多いようでした。

日本料理は海外にも広く注目されているというのに、発信すべき日本で日本料理に目を向ける若者が少ないというのは残念な話です。これは今、現場で働いている私たち自身にも原因があるのだと感じました。

日本料理がもっと華やかで繊細で、魅力的な仕事であることを発信していくことが重要だと感じています…

(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)

(トラベルニュースat 2023年6月10日号)

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