中之島眺め大阪を楽しむ THE BOLY OSAKA
新型コロナウイルスの影響により京阪神の多くのホテルが休業や休館、営業しても一部だけ。時間限定など通常営業にはほど遠い。
そのなかで、気になっているホテルがある。「THE BOLY OSAKA」(大阪市中央区)だ。北浜の川沿いにあるオフィスビルをコンバージョンし、ホテルに変えた。
ホテルの対岸には、大阪のシンボルである中之島公会堂をはじめ大阪市庁、大阪地方裁判所、そして中之島のビジネス街を構成する高層ビルの数々。高速道路が通り、都会の摩天楼を楽しめる。またビルと同じ並びの川沿いにはレトロなカフェやイタリアンレストランなど、お洒落系のお店が並ぶ。まち歩きだけでも十分に楽しめる立地なのである。
ホテルのネーミングの由来は、地名の「土佐堀」と「大阪文化の深堀」を合わせて名付けたもの。ホテルを中心に地域の活性化を図るという狙いもありそう。
このホテル、とにかくお洒落。それもそのはずで、ビルのオーナーは著名なデザイナー。事務所があったビルをオーナー自らデザインを施したホテルなのである。オーナーの感性が伝わるデザインホテルである。
道路に面した小さな自動ドアを入ると、そこがホテルの玄関口だ。エレベーターで6階へ行く。目の前に独特の世界観が広がる。ホテルが提供する「もてなし」の空間で、小さなフロントカウンター、宿泊客が自由に利用できるラウンジ。何気なく配置されたソファ、テーブル、イスなどの家具類は、世界的なデザイナーの作品らしい家具は1台ウン十万円のソファもあるという。家具好きの人にはたまらない空間といえよう。
ラウンジでは、コーヒーや紅茶、大阪らしいお菓子が無料で楽しめるスナック類、ワインやビールなどのアルコール類も楽しめる。
屋上にはルーフトップテラスがあり、ここがまたいい。中之島のロケーションに加え、自然光や川風を感じられるスペースで心地良い時間を過ごせる。屋上までの階段の壁にはアンディ・ウォホールのモダンアートが何気なく飾られているなどアートを身近に感じられる質の高い空間だ。事前に予約すれば貸切バーベキューも可能とのこと。
客室は14室と少ないながら、5タイプあるという多彩さ。もっとも川辺を感じられる「リバービューレジデンス」は、開放部を大きく取り、座り心地のよさそうなソファを配置し、自宅のリビングのような面持ちを演出している…
(井村日登美=ホテルジャーナリスト)
(トラベルニュースat 2021年2月25日号)
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