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共倒れマーケティング脱却を

今ほどマーケティングが必要な時代はありません。日本経済で数十年にわたり欠如しているのが、新しい需要を顕在化させるマーケティングです。マーケティングをひと言で表せば「あったらいいなを作る」こと。それも、自分と同性・同世代以外の需要を作ることです。しかし、これが難しい。

学生にそう伝えて考えさせても出てくるアイデアは学生需要か、せいぜいお子様需要。自分の見える範囲でしか想像ができません。学生の過半数は観光旅行で一番大きな需要を「友人旅行」と答えます。正解の「夫婦旅行」は想像できないのです。コロナ禍でこの傾向は強まった感があります。そのためにデータがあります。データを探して相関や因果関係を発見し対策を練るのがマーケティングの第一歩です。

同じことは大人にも言えます。データ上、年々縮小しているサウナ需要。しかし、40代の団塊ジュニア世代を中心としてサウナブームは盛り上がっています。サウナ、Clubhouse、ワーケーションは40代の三種の神器。ジムで鍛えた腹筋を人に見せたい男性の気持ちもわかります。ヨガで自分に浸りたい女性の気持ちもわかります。でもそれは、その世代の需要。同世代で楽しむのが一番です。でも、それでよいと思います。世代の選択と集中は賢明な戦略です。

しかし、問題はこれまで50年間、現在70代の団塊の世代を全事業者が選択し過ぎて競合してきたように、一斉に同じ40代をターゲットとしてしまうこと。それぞれの事業者が様々な世代のマーケットの需要を創造し、多様化していかなくては共倒れに向かいます…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2022年5月25日号)

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