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COVID—19 収束のロードマップを

日本のワクチン接種率(2回接種)が総人口の53%、65歳以上の88%となり、高齢者のほぼ9割がワクチン接種済みとなりました(9月16日時点)。短期間でアメリカの接種率を追い越すスピードでワクチン接種が進んだ結果、そのワクチン効果により国内におけるCOVID−19感染症の新規陽性者数や死亡者数を確実に減少させたことについては政府の評価に値するでしょう。

大手メディアを中心に入院難民続出についての指摘が相次いでいますが、死亡者数減によって病床が空かず、新しい患者の受入が困難になっている事実にはほとんど触れていません。

入院が必要な重症者数は基本的に死者数に比例するため、欧米先進国より日本の医療負荷は小さいはずなのですが、約1年半の間に医療提供体制を整備してこなかった大きなツケを今も払い続ける状態になっています。

これまで政府は目の前の新規陽性者数増減に振り回され、場当たり的な対応に追われ続けました。欧米諸国の対応と比べた時、COVID−19感染症収束のロードマップを示さなかったことが根本的な問題であるのは明らかです。英国は2月、アメリカは3月に行動制限解除のロードマップを提示していました。変異株による誤差はありましたが、欧米先進国がほぼ戦略通りに経済が回復している中、日本経済は置き去りになっています。

本来、政府の評価とはワクチン接種率ではなく、社会を正常化させるという目的を達成するための手段としてワクチンを有効に活用したかどうかです。ワクチン接種により新規陽性者数・死亡者数を減少させ、医療的負担が軽減されているにも関わらず、世論を気にする政府は規制緩和には後ろ向きです…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2021年9月25日号)

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