「第三の男」で有名な大観覧車
10月初めにウィーンに1週間ほど行ってきた。
趣味のミステリ関係の集まりに出席してきたのだが、何といってもお楽しみは映画「第三の男」のシネマツーリズム。僕にとってのウィーンは永遠に共同墓地(ラストシーン)と地下水道、そして何といっても観覧車なのである。
アメリカ作家のコットンは旧友のウエルズに招かれてウィーンを訪れる。着いたその日、コットンは旧友が交通事故で死んだことを知らされる。不審に思った彼は真相を調べ始める。そこに浮かび上がってきたのは、一人の男の孤独な影だった。
全編、ローキー(ちょっと沈んだ)のモノクロ画面で、光だけが目立つ映像美、ツィターの心をかき乱すメロディ、そして混乱の時代を生き抜く男女の人物像など、スリラーでありながら、香気漂う、格調のある名画だろう…
(松坂健=跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2017年11月25日号)
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