「駅ピアノ」「空港ピアノ」 何気ない風景に心休まるドキュメンタリー
ちょっとした病で、入院生活を余儀なくされたので、連載1回分、お休みさせていただいておりました。無事、退院できたので復活というわけだけれど、さて、困った、「観客」になりに行くイベントも劇場も何もない事態!
第一、なるべく家から出るな、ということだから、観客力を発揮できるのはテレビ相手くらい。ということだけれど、それがコロナ関連ばかり、心が休まるわけもなし。
こういうときに、いちばん清涼剤になったのが、NHKBSで時々オンエアしている『駅ピアノ』あるいは『空港ピアノ』という番組だ。
大きな駅舎の一角、あるいは空港ロビーに、グランドピアノを一台、据え付け、誰もが自由にピアノを演奏できるようにしたものだ。もちろん、調律師が時々点検している。
NHKは世界各地の駅ピアノ、空港ピアノに数台のテレビカメラを固定し、弾きに来る人たちの姿をただひたすら記録するだけの番組だ。
見ていると、あらゆる年代層の男女が思い思いに好きな曲を弾いて、すっと去っていく。なかには、立派に公演を行っているプロのミュージシャンもいれば、ホームレス生活をしているが、一日一回はここに来て演奏するのが生きがいという人もいる。
主に、ヨーロッパの駅、空港のピアノをロケしているのだが…
(松坂健=元跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授)
(トラベルニュースat 2020年5月25日号)
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